『完璧な下調べに基づく
分刻みのスケジュールで案内されたい』
 
 
キミがお望みなら京都一周古刹巡りの旅をスケジューリングしようじゃないか
 
 
『美術館みたく色々丁寧に説明してくれそうだからv』
 
 
確かに主要な寺社の来歴由来くらいなら説明できるが、キミもこの手のものは詳しいのではないか?
できれば、僕の知らない世界についても、教えてくれると嬉しいな。 キミとはお互い高め合う存在でありたいからね
 
 
『神社仏閣巡り。色々解説してくれそう。
出来れば手を繋いで廻りたい』
 
 
そうだな。この人混みでは無理もない。
迷子にならないように、僕の手につかまっているといい
 
 
『仏閣やらを解説してもらってそのお礼に何か奢りたい』
 
 
別に礼をされることでもないし、おごって貰うほど金銭に困っているわけではないのだが……。
……気持ちの問題? こうすることでお互いの好意を示し合う……ということか?
そういうことならば、喜んでいただくとしようか
 
 
『天也君に、あーんって言ってご飯食べさせたいですぅ!』
 
 
い、いや、結構だ。
そんなことしてもらわなくても、自分で食べられる。

なに? 箸が一膳しか、ついてなかった……?

そっ、そうか。それならば、やむを得ないな……。
だが、手短に頼む。こういうのは初めてで……どういう顔で食べればいいのか良くわからないんだ
 
 
『二人で色んな物を見よう。
どんな事を思ったかいっぱい話そう?』
 
 
ああ……そうだね。
例え知識で知っている所でも……そこを“今”“キミ”と共に歩み、心に刻むことにこそ、意味があるのだから